2年に一度程度の頻度で寄稿させていただいているアフリカ協会の機関誌『アフリカ』に、今回はポストコロナの南アフリカ事情を紹介させていただきました。2023年10月に民主化後4回目の国勢調査となった「国勢調査2022」が公表されました。同調査の結果はフォーマル居住の増加、電気・水道へのアクセス向上、教育その他の指標の改善などがみられました。ただ統計が現実をどれだけ反映したものとなっているのかには一定の注意が必要です。本稿は住まいの現実から国勢調査の統計によってみえにくくなってしまったものは何かを示しました。
宮内洋平 2023「ポストコロナ南アフリカの『希望』と現実―『国勢調査2022』からこぼれ落ちたもの」『アフリカ』(2023冬号)63(4): 36-41.
[章構成]
1. ラマポーザ大統領の「希望」の根拠
2. 「国勢調査 2022」のサービスデリバリー関連統計
3. 「国勢調査2022」では見えない住まいの現実
4. 家を待ちくたびれた人びと