杉江あいさんの大著『カースト再考――バングラデシュのヒンドゥーとムスリム――』(名古屋大学出版会, 2023年)の合評会が2023年人文地理学会の公募セッションで開催されました。私は「パブリック地理学を目指して」と題し、還元主義の心的空間に抗する社会空間の構築をめざす本書の試みのさらなる発展の可能性を探りました。本書の書評からはやや飛躍してしまった私の議論に対して杉江さんより丁寧なリプライを頂けましたことに感謝申し上げます。ご一緒に登壇させていただいた原口剛先生のルフェーヴルの空間論の検討からも大いに学ぶことができました。聴衆のみなさまに本書の素晴らしさが少しでも伝わっていればうれしく思います。本企画をオーガナイズし、お声がけ下さった荒又美陽先生に感謝申し上げます。
◆2023年人文地理学会大会, 2023年11月26日, 法政大学◆
公募セッション(9:30~10:45)「Author Meets Critics:杉江あい著『カースト再考』をめぐる議論」
S501 ルフェーヴル再考―杉江あい『カースト再考』の読解を通じて―
原口 剛(神戸大学)
S502 パブリック地理学を目指して―杉江あい著『カースト再考』より―
宮内洋平(立教大学)
S503 『カースト再考』に残された課題
杉江あい(京都大学)